企業が環境対策事業を展開しにくい理由とは

 初めに前提として昨今の社会的傾向として環境対策に則った事業の展開が求められていることはご存知だろうか?
 1970年台に環境問題による公害が勃発して以降、社会的問題として世間や国が重要視するようになった。今では環境対策を行わなければ様々な事業の展開を行うのは難しい現状となっている。一方で、企業は環境対策に赴きを置いた事業には参入しづらい現状が存在する。

 今回はその問題について紐解いていく。

問題点を紐解く意義

社会への影響

 企業だけでなく、政府や社会全体に対しても大きく貢献しており、環境に配慮した事業を行うことによって環境問題に対する意識が高まり、社会全体で環境保護についての取り組みが活発に行われるようになることが期待できる。企業が主体的となって動いていくことで、社会全体に活動を促すこととなる。また、企業が環境問題に取り組むことによって、政府の環境保護政策に貢献することにも繋がる。

問題点の明確化

 環境に配慮した事業に取り組む上での課題について本記事では挙げていくこととなる。環境に配慮した事業を行うためには、環境問題に関する専門知識や技術が必要であるが、環境問題の分野に精通している人材が不足しているという現状があり、このような問題点がいくつも挙げられる。環境に配慮した事業を展開するうえで問題となってくる部分について明確化して行くことで、事業の展開を効率化させることが期待できる。

企業の成長

 結論から述べると環境対策に赴きを置いた事業は事業展開は通常の事業よりも長期的な金銭的利益を得やすく、コストや風評においてもメリットとしての部分が大きい。企業が環境事業に参入しやすい事実を伝えることで、今後より多くの企業が今よりも成長することができるといえる。

 また、環境に配慮した事業を行うことについて、企業内での意識の問題も解決につながる。企業内で環境問題に対する意識を高めることは、環境に配慮した事業を行う上で非常に重要となる。そのためには、企業内での教育・啓蒙活動が必要であり、この論文ではその点についても述べていくことができると考えています。

環境保護

 近年では環境保護に関する情報が重要視されている。90年代に環境問題が勃発して以降、地球温暖化や海面上昇といった環境問題は避けられずにいる。環境問題には地球温暖化や大気汚染、水質汚染、廃棄物問題など、多数の問題が存在し、その解決には企業や社会全体の取り組みが必要とされている。また、企業は、社会的責任を果たすために、環境に配慮した事業を行うことが必要とされている。しかし、多くの企業がSDGsの目標を掲げて取り組んでいるにもかかわらず、その活動は停滞している状況にある。その原因としては、環境に配慮した事業を行うことが利益を出しにくいというイメージがあるためである。環境問題に取り組んだ企業は、ブランド価値の上昇、イメージアップ、固定客・新客層の安定化・話題性などのメリットがあり、国が環境問題に取り組んだ事業展開を推進しているため、環境に配慮した事業を行う企業は、TVやニュース、記事などに取り上げやすく、そこから環境問題やその企業、事業への理解が深まることが予想される。環境と事業の両方に関する情報を広めることができ、環境に配慮した活動もより活発に行うことができるようになる。

環境対策事業における金銭的メリット・デメリット

メリット 

 メリットの一つとして技術革新がある。環境対策における事業展開は新たなビジネス方法や新たな技術の発掘につながる。事例の一つとしてパタゴニア社は米国の直営店、オフィス、配送センターにおいて100%の再生可能エネルギーを利用している。

 二つ目としてコスト低下が予想される。初期投資が大きいことが特徴として挙げられる環境対策事業は安定した認知度や収益が得れるようになるとその事業にかかる資金は少なくなって行く特徴がある。それは環境対策事業の多くが再利用可能な資源や持続可能なビジネス体制となっているため、一度運営が安定するとその後にかかる資金は少なくなる。

 最後に競争力の上昇がある。本記事は参考文献の論文をもとに構成されているが、論文の結果より事業展開当初は競争力の低下が見られるが、長期的に見たときに競争力の上昇が見られると述べてあり、企業の成長や利益の向上につながる。

デメリット

 初期投資が大きいことが最も大きな影響である。環境対策の事業には新たなビジネスモデルや技術が必要とされることが多く、そのビジネスモデルや技術の開発には莫大なコストがかかる。このコストは製品やビジネス形態の制作にも使われるが主には、それを0から案をだして作り出す人件費に用いられる。

環境対策事業を行うことによる社会的評価の変化

ブランド価値の上昇

 環境対策事業は社会的評価や国・政府からの信頼も厚くなる。これはメディアに企業が露出する機会を増やし、企業の宣伝やイメージアップにつながる。また、環境対策事業をメインと置く企業はより一層強い企業ブランドを作ることができる。そのブランド価値の例としてアパレル企業のパタゴニア社が挙げられる。

社会的信用性の向上

 今の社会ではSNSでの情報が多くを占めており、テレビのニュースでもSNSでの動画や情報をもとに制作されていることも少なくはない。そのなかで、社会的評価というものは大きく作用される。今は一個人が意見を発するだけで社会に大きく影響することが可能な時代であり、より多くの人の目に留まり価値を理解してもらうことは企業にとって大きく影響する要因となりうる。

金銭面における変化

 大きな会社(上昇企業など)は株価によって事業の幅が左右されることがある。上記で述べたように社会的評価は環境対策の事業展開において大きく変化し、それは株価も含まれる。直接的な金銭面における変化は環境対策上業での製品の売買などでしか得ることはできないが、それによる株価の上昇はより大きな利益を企業にとって生む理由となる。

参考文献

加賀田 和弘(2007)「環境問題と企業経営 ーその歴史的展開と経営戦略の観点から」https://core.ac.uk/download/pdf/59177092.pdf 

2020/8/20加藤 光輝(2020)「日本企業の環境問題への取り組みが収益性に与える影響」https://tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=8525&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1 2020/8/20

SDGs

Posted by Da-ta