食品製造業とは その問題点と取り組み
コロナウイルスと食品製造
まずコロナウイルスと食品製造の現場の関係についてです。食品業界の過去の売上高の推移を見ますと、2019年までは緩やかな増加傾向にありましたが、2020年には減少に転じています。 財務省の法人企業統計調査によると、2020年度の食料品製造業の売上高は前年比4.5%減の42兆1,311億円、営業利益率は前年比20.7%減の2.3%でした。このように、コロナの影響で売上高が減少していることがわかります。
食品製造業界で対応するべき課題は、例えば、災害時でも安全な加工食品の流通・供給ができる体制の構築、ITの導入・人材の確保、廃棄にかかるコストの削減、さらに機械化の導入が挙げられます。
実例
日清食品
実例として、日清食品の現場について話していきたいと思います。皆さんから愛されているおなじみのカップヌードルを作る会社、日清食品の工場の現場では人間関係がきつい、女子刑務所のようといった声が上げられています。大きな問題としては、三つ。人間関係、毎日変わる仕事内容、さらにそれを知らない事務方です。これら三つの大きな問題が社員のメンタルヘルスへ大きくつながります。日清食品で勤めた1人の女性の話によると、女性社員が多く、さらに軍隊的な雰囲気があるとのことでした。社員、ベテランパート、パート、派遣社員の順でピラミッドができているそうです。数少ない女性社員たちが率先して派遣社員を見下し口がすごく悪く、更にその社員に機嫌をとっているベテランパートたちも同じように派遣をいびるようになっていったそうです。そのためまともに口を聞いてくれるのは下の立場のパートの方だけです。
更に、問題は毎日変わる仕事内容です。仕事内容が毎日変わるため、まともに仕事が覚えられないとのことでした。その女性派遣社員は冷凍工場配属だったため防寒対策が必要ですが、日によっては製麺工場に行かされることもあったようです。製麺工場は冷凍工場と違い、真逆でものすごく暑く、何時間も同じラインに立ち、ひたすら上がれてくる麺の検品をするという作業なのでとても苦痛だとのことでした。実際に気分が悪くなった際に、助けを求めても立場の関係で誰もきてもらえない状況でとても辛いと当事者は話します。
この事柄に加え、こういった製造現場の現場を把握していない事務方が多いようで、採用時といっていることが違うというケースもあったようです。契約内容と違う、面接の時と話が違うという場合労働基準法でも定められた内容への違反も関わってくると思います。
労働基準法では、労働者を雇い入れる際には労働条件を明示しなければならないことになっており、明示すべき項目の一つに「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」というものがあります。これは書面で交付することが義務付けられていますので、その当事者の手元にあるはずです。そして、その労働条件の中に記載されている「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」と現状が異なる状態であれば、労働基準法では「労働者は雇用契約を即刻解除できる」とされています。つまり、今すぐ会社を辞める権利が法律によって認められています。もし、退職は考えておらず、今の会社に勤め続けたいという場合には、明示された労働条件と違うことを理由に改善を要求することが可能です。もし、この当事者の話に偽りがなければ、大きな問題にもつながりますし、社員の体調へも関わってきます。
日清食品ではこういった人間関係、仕事内容、現場を知らない事務方の三つの問題が例としてあるようです。
マクドナルド
次に、マクドナルドの製造現場についてです。
マクドナルドのバーガーの肉はホームページでは、「精肉を成形するときに切り落とされる肉を、パティの素材として使っている。肉のおいしさを保つべく、加工された肉は専門のスタッフがチェック。赤身と脂身のバランスを確認し、おいしさを素材の使い方からつくっている。」と書いてあります。しかし本当に毎度専門のスタッフがチェックすることは可能なのでしょうか。そこでマクドナルドの食品製造の現場の問題点について話していきます。
イギリスの有名シェフ、ジェイミー・オリヴァーがマクドナルドに対して、「マクドナルドの肉の正体は、食品として定義不能である」という内容の裁判を起こし、その裁判に勝訴しました。つまり、マクドナルドの肉は「食べ物としてふさわしくないもので構成・調理されている」ということになります。
オリヴァーが勝訴した裁判により、マクドナルドのハンバーガーの肉が、動物性脂肪生地とアンモニアから作られていることが証拠付けられました。
マクドナルドでは本当の肉の代わりに、食用肉から出たくず肉、健、脂肪、結合組織を混ぜた物から成るペースト状の生地、アンモニアが使用されていることが明らかになりました。くず肉とは商品価値の低い食用の家畜の事で、骨格周辺やブロック状に切りそろえた際の切れ端、更には各種器官周辺部に位置するあまり見た目が良くない肉のことです。イギリスでは、骨なし成型肉はドッグフードや鶏の飼料にされ、人間が食べる食品への使用は禁止されています。つまり、くず肉とは人間の食べ物には適していないということになります。
マクドナルドは、2011年に「アンモニア消毒をした牛肉」の使用をやめると発表していました。2012年には、オリヴァーがバーガー用の「骨なし形成肉(くず肉や内臓などを接着剤で固めたもの)」の使用中止を発表していましたが、マクドナルド側は何度も使用をやめると発表していたにも関わらず、未だに使用していたことが今回の裁判で明らかになりました。
ファストフードを週に2回以上食べると糖尿病や心臓病のリスクが強まり、週に4回以上食べると、がんや心筋梗塞で死亡するリスクが80%も高まると言われています。2003年には世界保健機関(WHO)は「ファストフードは肥満につながる。タバコよりも有害だ。」と警告しており、マクドナルドの肉は「添加物の多い肉」だけでなく、人体に悪影響をもたらすことが明らかになりました。それにも関わらずマクドナルドのホームページではこのような現状を公開することなく、現在でも販売を続けているという状況です。私たち消費者にできることはないのでしょうか。
活動
つぎに現在、マクドナルドが環境に対して行っている活動についてです。主な活動として、食品リサイクル、ハッピーセットおもちゃの再利用、選べる・食べ切れる量、簡易包装・プラスチック対策、プラごみをEVバイク電力にするというのがあります。
企業にできること
この例に対して企業ができることは、カウンセリングを行う場を設けたり、意見箱を設置することです。これにより日清食品で行われている様な問題に対し、社員やより多くの意見を通して今後の見通しや対策を立てたり、一人一人の個人に対する負担やメンタルヘルスへの負担を減らすことができます。この二つの対策は個人の意見を企業に伝えることにつながり、問題を解決、改善する最も効果的な方法として用いることができます。実際に平成30年度の厚生労働省による労働安全衛生調査の結果では、仕事や職業生活に関わる場面において、強いストレスを感じる事柄がある労働者の割合は、58.0%というデータが出ており、その内の31.3%は対人関係によるものであることが明らかとなっている。これらより、複数の企業などではすでに職場カウンセラーを雇っており、従業員に対するメンタルヘルスケアを行っているところがあります。従業員のメンタルヘルスケアは、生産性、効率化、食品の衛生面の向上にも直結し、メンタルヘルスが良好であるだけで食品製造の現場の複数の問題を解決することができます。
私たちにできること
また、私たちにできることはなんでしょうか?
解決策として挙げられることは、SNSを活用した情報共有です。例えば、多くの人が使っているinstagramや自分で作れるホームページを活用して、みんなが見れる場で情報を拡散する事ができます。SNSを活用することで、団体ではなく個人でも行動に移すことができ、より多くの人が行動に移すことができます。現在のSNSでの発信はより大きな影響力を持つようになってきており、たくさんの人がSNSで拡散することでより多くの人々に情報を提供し、理解してもらうことにつながります。